ツッコミやすかったおすすめ映画

「アス」ツッコミレビュー・ドッペルゲンガーには優しくしよう!!

8点以上,ホラー,サスペンス2019

日本公開日: 2019年9月6日
監督: ジョーダン・ピール

すこ度(評価)

10/10

-考察も楽しく伏線もホラーもしっかりしてる傑作-

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あらすじ

https://www.youtube.com/watch?v=SI2INZHBhoE

「ゲット・アウト」がアカデミー賞にノミネートされ、脚本賞を受賞するなど大きな話題を集めたジョーダン・ピール監督が、自分たちとそっくりの謎の存在と対峙する一家の恐怖を描いたサスペンススリラー。夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンとともに夏休みを過ごすため、幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れたアデレードは、不気味な偶然に見舞われたことで過去のトラウマがフラッシュバックするようになってしまう。そして、家族の身に何か恐ろしいことが起こるという妄想を次第に強めていく彼女の前に、自分たちとそっくりな“わたしたち”が現れ……。「ゲット・アウト」に続き、数々のホラー/スリラー作品を大ヒットさせてきたジェイソン・ブラムが製作。主演には「それでも夜は明ける」でアカデミー助演女優賞を受賞し、「ブラックパンサー」などで活躍するルピタ・ニョンゴを迎えた。

https://eiga.com/movie/90369/

ネタバレなしレビュー

こりゃあおもしろいぜ!!!

と叫んでしまうぐらい衝撃的な映画でした。
「ゲット・アウト」ので注目を集めていた監督の続編ということもあって期待値高めで見たのですがハズレませんでした。

まずなにより普通にホラーとして怖いのに、それに加えてメッセージ性も組み込んでいるのは凄まじいです。
勿論どんな映画もメッセージ性があったり隠して伝えようとしているパターンはあるのですが、かなりの考察マンじゃないと分からなかったり前提知識が必要だったりしますよね。

この映画は他のレビューをみて分かる通りその考察をパッと見ただけで納得できるぐらい終わってみれば分かりやすく、そして関心を持ちやすいものでした。
ですので映画に深い意味を求める人も楽しめます。

勿論ホラー部分も飛び抜けていて役者の演技も鬼気迫るものがありました。
ホラー映画の定番としてマスク等で顔を隠した殺人鬼や異常者という設定にすることで、得体のしれない人外感をだすのですが、この作品の襲撃者は顔出しかつ普通の人間の姿なのに喋り方や行動でずば抜けた恐怖を与えてくるのです。
字幕で見よう!

日本の深夜ドラマで「トリハダ」というホラー作品があったのですが、そこに出てくる登場人物のようにリアルな不気味さと関わりたくない雰囲気をまとっていました。
理性の一線を超えた人間ってとってもこわいですよね。
彼らはもう静かにキレっぱなしです。

監督がコメディアンということでちょっとおどけたり気の抜けた演出があり、清水崇監督が言っていたように恐怖と笑いは紙一重という事を再認識しました。

この手のメッセージ性が高い映画は観客にある程度おまかせするような構成になりがちですが、しっかりと本筋の真相みたいなものも明かしているのでスッキリします。
あと前半はホラーですが後半からはサスペンスっぽくなり、最後までホラーではなかったので注意。

とりあえずどんな人にもおすすめ出来る映画!

ネタバレありストーリー&ツッコミ

主要人物

アス
https://www.youtube.com/watch?v=SI2INZHBhoE
キャストこんな人
アデレード・ウィルソン / レッド – ルピタ・ニョンゴ
ガブリエル・“ゲイブ”・ウィルソン / アブラハム – ウィンストン・デューク
ゾーラ・ウィルソン / アンブラ – シャハディ・ライト・ジョセフ
ジェイソン・ウィルソン / プルートー – エヴァン・アレックス息子

大まかなストーリー

俺がお前でお前が俺で…

主人公アデレードは4人家族。
彼女は幼少期に遊園地のミラーハウスに迷い込み自分そっくりの女の子に出会い、トラウマで一時的に喋れなくなった過去があります。

遊園地のあった場所に家族で行くことになるもとっても不安。
宿泊先の一軒家に夜中、4人の超絶怪しい家族が訪問してきます。
帰れって言ってるのにドアドンされるわ、庭の木をカサカサのぼるわびっくりさせてくるわでガクブル。

結局突破されてアデレード達は4人に捉えられます。
なんと皆自分たちとそれぞれまったく同じ顔のドッペルゲンガーだったのです!
怖すぎません?
自分なら膝ガクガクしながら失禁しておしっこで虹を作るぐらいビビリます。

アス
https://www.youtube.com/watch?v=SI2INZHBhoE

そんな中どこかのんきな態度の夫デイブ。案の定バットでドーン!
アデレードのドッペルゲンガーでは「レッド」と名乗り、私達は苦しんできたみたいな話をします。
このときのセリフが強烈で
「貴方が運命の人と結婚した時、私は知らない男(デイブのドッペル)と結婚させられた。」
「貴方が大切な子供を生んだ時、私はモンスター(息子のドッペル)を生んだ。」みたいなことを言うんです。

憎悪が凄まじいセリフとは裏腹に冷静に問い詰めてくるシーンで映画みながら漏らしましたよ。
たまたまパンパース履いててよかったです…。

そして家族をそれぞれ襲い始めます。

僕たちドッペル、貴方(オリジナル)だけ、についていく~

今日も走る 戦う 増える そして殺される~

といった感じでそれぞれ撃退する中でデイブは偽デイブを船のスクリューで殺します。
なんだおめぇ、あんま強くねえな!オラワクワクすっぞ!とドッペル達は身体能力は高いもののそんな無敵ではないらしく普通に死ぬようです。

いろいろあって知り合いの家に逃げ込むも知り合いは知り合い自身のドッペルに惨殺されており、アデレード達は知り合い家族のドッペルを殺害。
この家族のガッツすごいね!
TVでは世界中で同じようにドッペルがオリジナルを殺す事件を起こしているよう。

アス
https://www.youtube.com/watch?v=SI2INZHBhoE

とりあえず車で逃げ出しいろいろあって息子と娘のドッペルも倒す事に成功します。
が息子がレッドに誘拐されてしまったので、追跡しアデレードのトラウマであるミラーハウスに彼女は単身乗り込むのでした。

ドッペルゲンガーの真相とは 結末へ

ミラーハウスには地下通路が存在しており、たくさんの人が住んでいたかのような生活感が垣間見えました。
レッドに追いつき、なんなん君?と問いただすとレッドは自分達のことを話しだします。

アス
https://www.youtube.com/watch?v=SI2INZHBhoE

ドッペルゲンガー達は実は政府主導でつくられた存在で、計画頓挫のため彼らクローンを放置。
オリジナルと精神(魂)が連結してるので地下でひっそりと同じ行動をとっていたということが明らかにされます。

何故同じ行動をとるか詳しく説明されない消化不良を感じた人もいるでしょう。
一言で説明するならァ…「凄み」ってやつなんじゃあないかな。

というわけでドッペル達の意思を無視して上の人間の行動を強制させられた恨みをもっていたよう。
こんな観客のいない操り人形みたいなこと自分がさせられたら、iPhone新機種毎年プレゼントぐらいされないと許せませんよね!!プンプン!

ここで衝撃的な事実をもう一つツッコんでくるレッド。
それはレッド自身がオリジナルで、主人公こそがクローンだったということ。
序盤のミラーハウスで接触した時点で入れ替わっており、話せなくなったのはクローンだったからという伏線だったのです。

ファー!

まさかの展開!
どんでん返しのカーニバルだ!!

驚きつつもレッドを倒し息子を確保し家族に合流し、車で遠いところに向かいながら息子がアデレードはクローンだと気付いたような素振りをみせアデレードがニヤッとしてED。
このアデレードはクローンとして生きていくのかオリジナルとして生きていくのか今後の活躍が楽しみです。

感想・考察

考察とかまとめ

  • タイトルの「Us」は私達といういみだけでなく「United States」つまりアメリカ国民という意味も込められている。
    見て見ぬふりをして認知されていない下層アメリカ国民(地下のクローン達)とそれ以外の国民(オリジナル達)という格差社会を表現。
  • クローン達が手を繋ぐという表現を選んだのは、アデレードが子供時代にTVでみたチャリティ活動。実際にあったらしい。
  • 劇中何度も登場する11の数字は「エレミヤ書(預言書)11章11節」を意味して、災いを起こすという予言のメタファーという考察もあり。※参考サイト https://www.marieclaire.com/culture/a26931428/jeremiah-11-11-us-movie-meaning/ (海外サイト)
  • うさぎは監督がトラウマをもっているので印象的に使った。あといろいろ意味こめてる。
  • 後半アデレードのドレスが血で染まっていくのはクローン側だと暗示している。

感想

「ゲット・アウト」もかなり面白かったものの雰囲気がメインと言うか根本のストーリーはこんな感じかーで個人的良作どまりだったのですが、この映画に関しては自分が見たホラー映画のでとてつもない面白さを誇ります。

メッセージ性も強烈かつ誰にでも当てはまるもので、海外の映画は人種差別がテーマとなることが多いですがあまり日本では身近に感じにくいため、おもしろいテーマでした。
格差社会や、自分の幸福のためにどこかでだれかが不幸を引き受けているかもしれない、そんな人間社会の仕組みを深く考えさせられました。

主演のルピタ・ニョンゴの演技がとっても怖くて、特にクローン側の喋り方や声の出し方が他の役者と一線を画するレベルで際立っていました。
唯一コミュニーケーションをとってコンタクトしてくるリーダー的存在なのに、もうぶっちぎりで他のクローンより怖いんですよね。

不気味の谷じゃないですが、他と比べると自分たちに近い分恐怖が増すのかなとしばらく考え込みました。

アデレードとレッドの入れ替わりで完全にマスター権がクローンに移っていたあたり、結局最初の生まれに差異はあっても素質は誰にでもあって環境で将来が変わるというメッセージもなかなか社会を表していますよね。
でも生まれの方が基本的に素質を活かすチャンスがあるということも表現されているので、なかなか嫌なリアルさを見せられた気がします。

ドッペルゲンガー達の本当の目的はオリジナルに成り代わることではなく、自分たちの存在を知らしめることだったのも面白いですよね。
それにしては人殺しすぎだけど。

個人的には高評価なものの「ゲット・アウト」でもそうでしたがガッツリホラーというよりどこかSFとかファンタジック(ちょっと無理やり?)な設定が多々出てくるので、現実味がないから面白くなかったという人もいるかもしれません。
そもそもなんでクローンと動きシンクロ?とかうさぎだけで生きていける?とか。

ただ自分としてはあり得ない世界の中にある程度の現実をねじ込んで楽しむのが映画だと思っているので、ありえなさとありえそうな部分がいい塩梅に混ざっている作品として高評価にしました。
ナイト・シャマラン作品みたいに監督の個性がでているので今後の作品も欠かさず見よう!

この映画の教訓として、自分のドッペルゲンガーを見つけたら速攻車でぶっ飛ばすようにします。

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