ツッコミやすかったおすすめ映画

「パラサイト 半地下の家族」ツッコミビュー・消臭力を買おう!な映画

2020-03-178点以上,サスペンス

邦ポスターごちゃごちゃしすぎ問題…

日本公開日: 2020年1月10日
監督: ポン・ジュノ

すこ度(評価)

8/10

-コメディで笑い、スリルでドキドキできる色々混ざった名作-

ところどころ暴力・性表現あり

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あらすじ

https://www.youtube.com/watch?v=VG9PjxVMd08

アカデミー賞も受賞し

殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。第92回アカデミー賞でも外国語映画として史上初となる作品賞を受賞したほか、監督賞、脚本、国際長編映画賞(旧外国語映画賞)の4部門に輝くなど世界的に注目を集めた。キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

https://eiga.com/movie/91131/

ネタバレなしレビュー

基本無茶ばかりする主人公家族たち

ありそうでありえない展開と格差社会問題を描いていて色んな人が楽しめる映画。
主人公家族達はとにかく無茶をする。そこは抑えとこうよ…というラインをひたすら反復横跳びするような映画です。
そこまでしたら不幸になるんじゃね?という部分は皆さんあると思うんですけど、逆に生きていくためには必要なガッツなのかも…。

アカデミー賞受賞ということで各界で話題になっているよう。
ポン・ジュノ監督の作品は「スノーピアサー」と「グエムル」しか見ていませんが、こんな映画も取れるのか…と驚きを隠せません。

今回の映画は前半がコメディタッチで描かれていたり、後半はハラハラしたサスペンスものになっていたりと様々なテーマで楽しめるような映画でした。かなりの人が絶賛しているので万人受けもするし映画好きも楽しめる内容だと思います。
あらすじからしてそれ大丈夫なの?とヒヤヒヤしそうな展開が楽しめます。
前半の社長家族に入り込むまでの皆どこか抜けてるようなコメディタッチから一転、いつバレるのかというドキドキ感がどこかで感じたことのある焦りを与えてくれます。
そうです皆さん経験あるはずですよ、ありえない失敗をしてしまっていつかゼッタイバレるのに隠そうとするあの気持…。
会社でミスをしてそれを上司に報告するまでの猶予時間みたいなものを疑似体験出来るので社畜におすすめ。

明らかにどこかで破綻するんじゃないかという寄生生活の奇妙な面白さと、後半からいろいろな思惑が交差してまさかの結末に。傑作と呼ばれるだけの映画ではあると思います。
個人的にはそこまでエンディングが好きじゃなかったので8点にしました。
といってもアカデミー賞で外国語受賞は初というのはだてではありません。
映画好きでなくてもおすすめです。

ネタバレありストーリー&ツッコミ

主要人物

キャストこんな人
キム・ギテク –
 ソン・ガンホ
父・運転手になる
キム・ギウ –
 チェ・ウシク
息子・家庭教師になる
キム・ギジョン –
 パク・ソダム
娘・美術を教える
チュンスク – 
チャン・ヘジン 
母・家政婦になる
パク・ドンイク – 
イ・ソンギュン
富裕層社長・寄生される家族の父
ヨンギョ – 
チョ・ヨジョン
社長奥さん・純粋
パク・ダヘ – 
チョン・ジソ 
社長娘・かわいい、ギウと恋仲に
パク・ダソン –
 チョン・ヒョンジュン
社長息子・じゃじゃ馬

大まかなストーリー

parasite
https://www.youtube.com/watch?v=VG9PjxVMd08

ギム(息子)が家庭教師へ

家族全員無職の状態から話が始まります。
主人公家族が住んでいるところは、地面にめり込んでいるように見える半地下の住居。
とにかく貧困層といった感じでWi-Fiすら満足に使えず、近くの野良Wi-Fiをなんとか接続してネットをするレベルの家庭環境。
ある日、主人公ギムは親友から縁起がいいという石を受け取ります。いきなりよくわからない展開。
どうやら身内が集めているものでいろいろご利益がある意思だそうで…。
そしてある富豪の娘の家庭教師をしてくれと頼まれ、乗り気ではなかったものの給料目当てに引き受けます。ちなみに親友はその娘が大学に進学すれば告白するようです。これはNTRの予感がひしひししますなぁ…

そして普通に面接して家庭教師になるのではなく、ここでまさかの学歴詐称をすることに。
でも地頭いいようなので良しとすっか!
フォトショップマスターの妹ギジョンの協力で立派な在学証が出来ました。
もちろん面接は合格。家庭教師として社長娘のダヘと接しているうちにダヘと恋仲に…。
このダヘちゃんがめちゃんこ可愛くて純粋な感じなんですよ。まさにギャルゲ展開。
でも親友はいいのか…告白するって言ってたぞ…。

うるせェ! ドン! 寝取ろう!
ですねわかります。

集結する家族達

parasite

ある程度信頼されてきた頃に社妻のヨンギョが、社息子のダソンに美術の教師をつけたと言われる。
ちなみにこのダソンは典型的な何考えてるかわからない系で、ちょっとめんどくさい感じ。
そこでギウは妹ギジョンを実力ある美大生として紹介。
詐称の天丼である。華麗なる詐称の連続技。


社妻もあまり警戒心がないというか世間知らずでなんやかんや普通に雇っちゃう。
ヨンギョ自体はほぼネットで得た知識でちょっとしたカウンセリングみたいなことをしたりで、ダソンの事わかりますよーアピールで信頼を勝ち取っている。

その後ギジョンは車で送迎されるものの家バレ回避の為必死に運転手の「家まで送るよ?」という送り狼アタックを華麗に回避。その際ギジョンはなぜか下着を脱いで車のシートに隠す。
本作のエッッッ!シーンその1
そしてそれを後に発見する社長。ギジョンはどこかの女と車でやってたんじゃね?的な雰囲気を匂わし、N国ばりにそれはいかん!と運転手を解雇する社長。なんという孔明もびっくりな策略でしょうか。
で新しい運転手として父のギテクを紹介し難なく雇用することに。

parasite

ここまでくるなら母もぶちこんだれ!ということで作戦が始まります。
狙い目は現在働いてる家政婦おばさん。この人はももアレルギーなようで、ももに接すると発作を起こします。
そこで病院で結核って言われてたよとギジョンがヨンギョに嘘の密告をし、不信感を募らせたところでももの表皮の毛を家政婦に浴びせ発作を起こさせたのです。ああこれ結核だわwと思ったヨンギョは家政婦を解雇。

なぜここの住人は本人たちに確認をしないのか。

空いた家政婦枠に人材派遣会社を偽って母を投入。
これで社長家族をだまし家族ごと雇われるようになった主人公一家。
ただダソンだけはこの4人から同じ匂いがする…と番犬みたいなコメントを残していました。
まさに詐称の嵐。詐称の宝石箱である。

第三の勢力

ここまでがコメディ路線で面白おかしく描かれていたのですが、後半からスリルある展開になっていきます。

ダソンの誕生日と言うことで社長一家はキャンプに行くから家をあけることにします。
もちろん主人公らは一線を超え、カイジばりにギリギリを楽しむのでなんと家族全員で社長の家に集まり好き放題飲み食いします
なぜ自ら崖にぶらさがるのだろうか。

parasite

そこに訪問者が。やめさせられた家政婦の登場です。忘れ物あるからーととにかく家に入りたがるので仕方なく家に。その家政婦が「実はこの家には地下があってそこに夫がおるねん」と言います

は?何いってんだこいつ

と思いつつ隠された地下の下には家政婦の夫が…。実はこの家政婦は現住人の社長家族が住む前からこの家で家政婦をしており、その時からこの地下室に夫を借金取りから匿っていたようでした。
んなアホな。
夫は長い地下生活のせいか少々精神に問題ありの状態。びびって思わず正体がばれる主人公一家
まだ主人公一家は社長一家に対して仕事をしているのですが、この家政婦の夫は夜中に食べ物を盗んだ記すマジモンの寄生虫
上級寄生虫VS下級寄生虫というなかなかハードな画に。
社長にバラすぞと脅されてこの先2つの立場に挟まれてヒヤヒヤしつづけるのか…、と中間管理職の気持ちになったところでなんと社長家族が急に帰って来ることになっちゃった!

parasite

なんとか家政婦夫婦を地下に閉じ込め、机の下に隠れてやり過ごす主人公達。
ここはバレたらすべてが終わってしまうハラハラシーン。
社長夫婦はこの時運転手の人くさくね?と普通に傷つきそうな話をしており、それを聞いてしまうギテク。スメハラは胃が痛い。
なぜかそのまま夫婦の濡れ場シーンへ突入。エッチコンロ点火したところで、なんとか逃げ出します。

上層と下層の人間の結末

ダソンの誕生日祝をあらためてやるということで社長宅の庭でパーティーをすることになります。
もちろん主人公一家も呼ばれるわけですが、地下が心配になったギウは冒頭にもらった石を持って地下の様子を見に行きます。
家政婦は死んでいたようで、夫にもってきた石で殴られ意識不明に。

地下からでた家政婦夫は刃物を持ちなんと庭にそのまま進出。進撃の巨人ばりにヤバいオーラーを発しながら、ギジュンを刃物で刺します
このあたりはホラー映画さながらの緊張感があり誰がいつ死んでもおかしくない異常な空間でした。

parasite

それを見て激昂した主人公母が家政婦夫に棒を刺して殺害
ギテクは唖然としたものの社長に車のキーを!といわれて渡そうとします。
しかし社長が家政婦夫のにおいに嫌悪感を抱いているところをみて、匂いについての事がフラッシュバックしたのか、社長を刺殺

カオスすぎる

ギテクは逃亡し、ギジョンは死亡。母と主人公は逮捕。
しばらくして元の家に戻ってきた主人公ですが脳に障害が…。
例の社長家族は社長が死亡して引っ越したようで新しい住人がいるようです。
ギウが元社長家族の家を遠くから見ているとなにやら家の明かりがチカチカ。

そう例の地下からのモールス信号です。
なんとか生きてるよ^^
みたいな殺人を犯した家に隠れて住むというなかなかサイコパスなダディ。
父の居場所を知ったギウは金持ちになって家を買取り父を救いだすことを決意するのでした。

感想・考察

parasite

考察

この映画は伏線もたくさんあって、パッと思い浮かぶのだけでも

  • ダソンが誕生日に出会った幽霊→家政婦の夫
  • ダソンの絵→家政婦の夫そっくり
  • 電気がちかちかするシーン→地下からの電気操作
  • 食料が減る→地下…以下略

とかがあります。演出部分でも

  • 階段のシーン多用→身分の差・社長たちは上がるシーン多め
  • ダソンのインディアン仮装→侵略される側

とか分かりやすい要素の盛り込みがとてもおもしろかったです。
階段とかは監督も意識して撮っていたようで、こちらのインタビューで上昇と下降が重要だと語っています。

というか主人公一家は入り口は経歴を偽っていたとしても、社長家族が満足する程度のスキルはあったので普通に働けば?とも思うかもですが韓国の社会的に熾烈な競争の背景もあるんだなと感じました。

感想

韓国では本当に格差社会が酷いらしく、半地下で暮らしているというのもよくある話のようです。
少し前に韓国の若者はチキン屋になるしかない、というのがネットで流行っていましたが実際そのぐらい競争率が激しいからこそこの映画のリアリティは更に深まるのでしょうか。

前半はうまく策略を巡らすスパイ映画、後半からは危険に取り囲まれるホラー映画と1度で二度美味しい映画でした。皆が絶賛するのも納得の傑作だと思います。
現実の問題に焦点あてるとだいたい監督のエゴばかりでたりするので好きじゃないんですが、エンタメ力が高くお話としての完成度が高かった!

物理的に上下の階層にわかれて格差を演出してわかりやすかったし、最終的にギテクが最下層まで落ちていくところに天罰めいたものを感じました。
監督がパラサイトという題名は主人公のような下層の人間だけではなく、富裕層も下層の人間に頼っていきている寄生虫という意味があると言っていましたが、なるほどたしかにこの映画の富裕層は家の事は他人任せでした。
主人公たちの嘘が発覚する直接の描写がないのも交わることのないであろう、立場の存在を強く意識させられましたね。

ただ個人的にはラストの展開が唐突というか、匂いという点だけで沸点限界までいくのはどうなんだろうなぁとなってしまいました。
格差社会を感じて自分を否定された気持ちになったというのは分かるのですが、ギテクの殺人以外はある意味理由があるというか仕方ない死だったので少しモヤモヤ。

とはいえ傑作には間違いないと思うので2020年のベスト映画になりそうな映画でした。

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8点以上,サスペンス

Posted by muvikomi