ツッコミやすかったおすすめ映画

「ボーダー二つの世界」・otinがporonですごい!・レビュー

2020-05-15ファンタジー,ミステリー,5~7点2019

日本公開日: 2019年10月11日
監督: アリ・アッバシ

すこ度(評価)

7/10

-キレイな雰囲気なのになかなかエグい映画-

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あらすじ

「ぼくのエリ 200歳の少女」の原作者ヨン・アイビデ・リンドクビストが自身の原作をもとに共同脚本を手がけ、第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリを受賞した北欧ミステリー。醜い容姿のせいで孤独と疎外感を抱える税関職員ティーナには、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分けるという特殊能力があった。ある日、彼女は勤務中に奇妙な旅行者ボーレと出会う。ボーレに対し本能的に何かを感じたティーナは彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にボーレに惹かれていくティーナだったが、ボーレにはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった。

https://eiga.com/movie/90653/

ネタバレなしレビュー

ヨーロッパ映画ってなんで雰囲気キレイなのにエグい映画多いんですかね!

っと叫びたくなるぐらいヨーロッパ然とした映画です。
原作者の前作の「ぼくのエリ」の時点でこの監督は変態だなと思っていたのでしたが、数年経ってさらに高みを目指している変態だと思える作品でした。

導入だけみれば普通の人と違う主人公が似た人間に出会って、色々変わっていくヒューマンドラマっぽく見えますが実際はもっとエグくて映画ならではのとんでも展開が巻き起こる内容です。

この手の主人公の世界が変わって行くパターンの映画だと世界から孤立している状態がよくあるのですが、とにかく主人公が純粋で外見は醜くく距離を置かれることはあるものの、仕事も真面目で人格に優れているせいかそこまで迫害されてる雰囲気はなし。

単純なヒューマンドラマだと人との出会いとかが人生を変えてくれた!な感じなのに対して、この映画は出会いも自分を変えてくれるけど生まれ持った本来の自分(居場所)を受け入れるのか、今までの過去によって構築された自分を受け入れるのかというなかなか複雑なもの。

個人的には「醜いアヒルの子」をモチーフにした大人の童話といった感じなので、感動するような人間模様を楽しむというよりアイデンティティーは何を糧として形成されるかというなかなか哲学じみたお話が好きだと楽しめます。

どんでん返し系とまでは行きませんが、予告からは予想のつかないストーリー運びなので事件解決に向かう純粋なミステリーものとして楽しめます。

それと何度も書きますが、とりあえず衝撃的な映像と展開です。
具体的にいうとOtinがnyokinでporonです。
このシーンと解釈だけでこの映画が異色な作品であるという事を物語っているので、やべえ映画好きはとりあえず見ましょう。
そういった演出もそうですが話の展開も求めていたものと違う、という視聴者も割といそうなのでとにかく人を選ぶ映画です。

人によってはやりきれない気持ちになったり、キレイな展開を求めているとカウンターパンチを食らうので注意。

自分的にはかなり面白い映画だったのですが、1回見るともう満足というか2度もみるのは体力を使うのでこの点数にしました。

ネタバレありストーリー&ツッコミ

主要人物

キャストこんな人
ティーナ – エバ・メランデル匂いでいろいろわかる主人公
ボーレ – エーロ・ミロノフ主人公に雰囲気似過ぎな男

大まかなストーリー

この匂いは!………ウソをついてる『匂い』だぜ……

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https://www.youtube.com/watch?v=hCf6pRo97E0

主人公ティーナは税関職員。
なんと「匂い」で危険物を持っている人間を判別することが出来るようです。
それは犬のように危険な物体を直接嗅ぎ取るのではなく、やばそうな人間の心(感情)を嗅ぎ取るようです。

ブチャラティ並に謎の方法で嘘を見破る彼女は案外同僚から信頼されているようで、ティーナがチェックを入れた客からはどんどん悪い品物が出てきます。
この映画を見た人の中にも匂いフェチの人はいると思うのであるある体験だと思います。

そんなティーナですが外見が醜く人と違う感性をもっているので疎外感が…。
しかし家に変えるとヒモの彼氏がいるので、とりあえず誰かいるという安心感は得ているよう。
この彼氏は実際同しようもない系彼氏で浮気もしているし、まともに働いてない。

彼氏ともある程度の距離を感じているティーナは森の動物達との触れ合いの時間を一番に楽しんでいるようです。

自分と似ている人

ある日税関でティーナはやばそうな匂いを発している男を捕らえます。
詳しく調べるとSDカードにやばいものが詰められてると確信し、男もなんとか証拠隠滅しようとするも結局警察送りへ。
後日警察がティーナにこの前のSDカードに児童ポルノの動画あったから捜査協力してくれね?と協力要請します。

その後もいつもどおり税関で働いているとある男性に違和感を覚えたので引き止めます。
その男性はティーナにとってもそっくりで見た目から雰囲気まで親戚かと見まごうほど。
彼はボーレという名で超絶うさんくさいものの結局怪しいものは発見できず。

いろいろあってボーレと仲良くなり自宅の離れを貸し出します。
このボーレがやべえやつで虫を食べたり獣の叫び声だしたりとにかく語彙力が無くなる程度にはやばいんです。

Otin Poron Mystery

警察との捜査でSDカードの元の赤ん坊に性的虐待をしている証拠を掴んだティーナ達。
犯人を逮捕するも出生届もない赤ん坊の出どころがどこからなのか全くわかりません。

一方でボーレと交流を深めていくうちに体の関係を持つ二人。
ここからティーナの正体が明かされるのですが、実はこの似た二人はそもそも人間ではなく「トロール」という伝承上の生き物であるという衝撃の事実が。

実はこの映画はただのミステリーではなくファンタジックな世界観だったのです。
トロールは男女の役割が別で、女性の外見のティーナに男性器が備わっています。

この交配シーンがおぞましく、Otinがティーナの股間からニョキニョキっとはえてきてそのままボーレの股間にShootされるわけです
どんな変態エロ漫画家でもこんな設定書かんでしょ…とこの映像があるだけで、誰かに気軽にオススメできないとてつもない人を選ぶ力が高まっているんです。

トロール集団はフィンランドに隠れてる、トロールのメス(見た目は人間のオス)は単独で子供を生むが未受精だとすぐその子供は死ぬ、など人間とは違う生態に驚くティーナ。

ボーレの復讐とティーナの選択 結末へ

警察捜査で赤ん坊のブローカーが捕らえたと聞いたが護送中何者かに殺されます。
そこで死体現場からボーレの匂いを嗅ぎ取ったティーナ。

ボーレに詰め寄ると
彼は過去に人間に虐待された復讐として、人間の赤ん坊を自分の生んだ未受精卵の赤ん坊とこっそり取り替えて、本物の赤ん坊は人身売買ブローカーに売り飛ばしていた
という極悪人だと判明します。

動物を愛する心優しいモンスターパターンだと思っていたのに…あんまりだあ!!
わかり合えない二人は決別。

警察からも逃亡しボーレは行方不明に。
数日後ティーナの自宅に受精済みのトロールの赤ん坊がフィンランドから送られ、育てる決意をしED。

感想・考察

ファンタジー路線なのに人身売買とか赤子取替とかさあ…エグすぎない?
いやいやこれが北欧映画なんだよなあ!!
と納得してしまうぐらい清々しい気持ち悪さとキレイさを感じれる映画でした。

現代社会の闇の部分をチェンジリングという伝承になぞらえるのは面白かったです。
日本でも誘拐行方不明等を「神隠し」なんていったりして不気味・不安なイメージを人外に押し付けているので民俗学的にに似たものを感じました。
トロールという架空の存在と、チェンジリングを用いてリアル社会と結びつける手法である程度現実味がある空間を演出していたので物語に入り込みやすかったですね。

個人的に面白かったのが、ボーレとの出会いの時にティーナが呼び止めたのは同族だからでなく「悪いもの」を嗅ぎ取ったからということです。

描写的に互いに同種だから気になったような錯覚を起こしましたが、実際ボーレは人身売買・チェンジリングをしているというティーナの能力はしっかり働いていたという伏線に感心しました。

物語終盤で、復讐側にいくのか自分を抑えるのかの境界線でティーナはボーレ側には行かず、そこまで葛藤せずに自分をしっかり持ち続けたのはすごいですよね。
最後トロールの赤ん坊を受け取ったのを見て、自分の生まれのアイデンティティーと生きてきた中で形成されたアイデンティティーが両立させることはとても美しいことだと感じさせられる映画でした。

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